実はひっそりと始まっているプロジェクトがあるのです。
「meal 102 プロジェクト」(仮称)
102でなんと読むと思いますか?
「meal」で何となく察してほしいのですが、102で「とうふ」と読みます。
さて、今回は秋田県にある豆腐屋さん「松岡食品」さんにインタビューに行ってきました!
【町のお豆腐屋さん 松岡食品】
「松岡食品」さんは秋田県八峰町にある町のお豆腐屋さん。絹・木綿はもちろんのこと、世界自然遺産である白神山地の水を使った豆腐や枝豆のコクが感じられるグリーン豆腐など、様々な種類の豆腐が取り揃えられている。
お店には、おからドーナツや豆乳ソフトクリームが売っていて、子供たちにも大人気だそう。
私も食べてみた!
おからドーナツはフレンチとミニがあったのでフレンチの方をチョイス。サクサクもちもちしていて、食感が楽しめる。握りこぶしくらいの大きさで食べやすい。味はあっさりしていて誰でも好きになれる美味しさ。
豆乳ソフトクリームの方は、一言で言うと「ソフトクリーム状の豆腐」。
口の中にひろがる豆乳のコクがすごい!
なんと!松岡食品さんは豆腐作り体験もできます!!要予約!
松岡食品さんのHPはこちら↓↓↓
http://www.matsuoka-foods.com/
とうふ屋のおじさんこと、松岡清悦さんにインタビューしてきました!
御年76歳、話しやすい雰囲気のベテラン豆腐屋店主さんの松岡清悦さんにインタビュー。
Q.豆腐屋さんをやり始めたきっかけは何ですか?
先代がやっていた店を継いだんだよ。
なるほど!代々継いでいるお店のようです。
Q.豆腐屋さんをして良かったことはなんですか?
職業だからね、生活を支えられることかな。
個人的には意外!職人気質がある職業のイメージだったから、いの一番に生活基盤を支えることがでてくるとは!考えてみれば、確かにいち豆腐屋店主である前にいち家族の大黒柱であるので当然と言えば当然なのかもしれない。
「あとは『ものづくり』。自分で目指したような商品ができた時とそれをお客さんが評価してくれた時は嬉しいね」
やっぱり職人さん!豆腐づくりにもしっかりこだわりがある。
松岡食品さんのチラシにはこんなメッセージも。
職人の自身が伝わってきます!
・豆腐屋さんをしていて困っていることはなんですか?
コロナ禍とロシア・ウクライナ侵攻での打撃…。
物価上昇に困っているそう。コロナ禍初期から飲食店経営をしているお店の悲鳴はニュースで取りざたされてきたけど、影響はお豆腐屋さんにも…。
おからドーナツには食用油、小麦、乳製品を使うし、工場を回すのにも電気が必要。日本の電気は火力発電が主力だから石油価格に直に影響を受ける。商品づくりのためのコスト上昇や電気代が悩みだそう。
「うちだけじゃないけど、『維持』は大変!でも、クリアしていかないといけないんだよ」
「豆腐屋を最後まで続けていかないといけないからね」
物価上場にも負けない豆腐への愛と熱を感じる。
地域の豆腐屋さんは高齢という理由に引退していくところも多いなか、松岡食品さんにはこれからもおいしい豆腐を提供してもらいたい。
Q.豆腐の魅力ってなんですか?
長いこと生きてきたけど、豆腐が国民からそっぽ向かれたことはない!
ってことかな。
たしかに!ある程度ブームになる食品はあれど食文化として根づく食品は少ない。
私が生まれたときから、豆腐は食文化として存在していたし、松岡さんの言う通り、これからも「豆腐」という食品から日本人が離れていくことは想像すらできない。
その秘訣はどこにあるのだろう?
松岡さん曰く、3つの秘訣がある。
- くせがない
- 色々な食べ方ができる
- 栄養価もある
最近は科学的に良いとされているんだよ、と付け足しで語ってくれた。
さらに和食文化の中の豆腐の位置付けへも熱い思いがある。
「ユネスコの世界無形文化遺産に「和食」が登録されたでしょ。
和食の大豆製品の役割は大きいと思うんだよね。醤油、味噌、豆腐、納豆…『これが和食だ』という膳を出したらこの4つは入ってくるんじゃない?」
「つまりね、「日本人の体形や食生活を支えている根底には大豆製品がある」これを世界が認めたってことなの。世界が大豆製品を評価していて、その大豆製品を和食っていう形でアピールしたのは日本なわけ。」
「和食の一部である豆腐を作っていることを誇りに思っている。」
豆腐づくり・豆腐への思いがまっすぐに伝わってくる。
Q.豆腐と一緒に食べたら美味しいものはなんですか?
たらの芽の天ぷら!
たらの芽とはウコギ科の落葉低木タラノキの新芽のこと。山菜として食されることが多く、香りもいいことが特徴。これに塩を少しだけ振って豆腐と食べるとおいしいらしい。
豆腐愛があるとうふ屋のおじさん松岡さんがいうのだから間違いない(笑)
豆腐と一緒に食べたら美味しいものを聞くうちに1つ気になることが。
「豆腐自体は何で食べるのが美味しいのだろうか?」
つまり、冷奴にはなにをかけるとおいしいのか。
「冷奴には何がいいですか?私は醤油とかポン酢とかよくかけます」
すると、少し微妙そうな顔つきになった。あれ?醬油かけないの?
「冷奴は塩だね!素材を引き立ててくれる。」
はっとした。塩という発想はなかった。大豆自体のおいしさが詰まった豆腐を味わうなら味の濃いものと合わせるのはよくないのかもしれない。実際に試してみると、大豆のおいしさをより感じることができた。いい豆腐をつくっている自身があるからこそ、食べる人に豆腐のおいしさをしっかりと味わってほしいのだと感じた。
Q.豆腐屋さんのやりがいはなんですか?
お客さんの反応をもらうことかな。
店主の松岡さんはパソコンで電子メールのやりとりなどはしていなくても、松岡食品の豆腐の味を聞きつけて買いに来てくれるお客さんが増えてきてくれた、と語る。町のお豆腐屋さんの松岡食品さんにはいつのまにか遠方からのお客さんも訪れるようになった。
「遠方の人にも商品を届けられることが嬉しい」
松岡さんの豆腐愛が商品を通して多くの人に伝わればいいな。